妖狐×僕SSは、月間ガンガンJOKERで2009年~2014年の間連載されていた、人気漫画の1つで私も大好きな作品です。
妖怪たちとの戦いや登場キャラたちの複雑な人間関係、恋人同士のイチャイチャシーンなど少年漫画と少女漫画が合わさったような内容で何度読んでも楽しませてくれます。
私も妖狐×僕SSが大好きで推し漫画の1つです!
今回は、妖狐×僕SSをまだ読んだことがない人や「途中までは読んだけど結局どうなるの?」という人のために、単行本全11巻のネタバレを含みながら詳しく解説していきます。
これから読もうと思っている人は、ネタバレをたくさん含むのでご注意ください。
妖狐×僕SSのあらすじ
それでは早速、妖狐×僕SSのあらすじをネタバレを含みながら解説していきます。
単行本は全11巻ですが、妖狐×僕SSは物語の内容から大きく1章・2章・3章に分かれているので、分かりやすいようにそれぞれに分けて解説していきます。
途中まで読んだことがあるという人は、章に分けて続きを探すと見つかりやすいかと思います。
【妖狐×僕SS】第1章
妖狐×僕SSは、白鬼院凜々蝶(しらきいん りりちよ)という15歳の少女が、妖館に入居することから始まります。
凜々蝶は、幼少期から周囲の大人達の下心を持った対応や先祖返りとして大切にされたことから悪態をつくようになりました。
大切に育てられたと言えば聞こえはいいですが、両親と一緒に遊んだり、甘えたりすることは許されず、周囲にいるのは下心のある大人達ばかりだったんです…
主人公である「白鬼院凜々蝶」についてもっと詳しくしりたい方は、以下の記事を参考にしてください!
そんな環境に嫌気がさした凜々蝶が、先祖返りたちが集まって1人暮らしをしている妖館に入居し、いつの間にか契約していた御狐神双熾(みけつかみ そうし)がSSとなります。
私は漫画の主人公(ヒロイン)である凜々蝶の登場シーンで既に悪態をついていたので、「ツンデレキャラなのかな?」と勘ぐっていました。
しかし、野ばらというキャラ曰く「ツンシュン」という分類らしく、悪態をついておきながら後悔して落ち込む様子を的確に表していると笑ったのを今でも覚えています。
凜々蝶には、幼少期から文通をしていた許嫁の青鬼院蜻蛉(しょうきいん かげろう)がいましたが、実際に文通の手紙を書いて送っていたのは蜻蛉のお世話係をしていた双熾でした。
蜻蛉は初登場時から仮面を付けていて素顔が謎でしたが、素顔が明らかになってから私はゾッコンになりました…。
私も蜻蛉の初登場時は、変なキャラだと思っていましたが、読み進めていくと蜻蛉の良さがどんどん出てきて、気付いたらハマっていたのです!
双熾にとって凜々蝶は飼い主のような存在であり、自分のことを「凜々蝶様の犬」と呼んでいるほど、盲目的に凜々蝶を愛しており、トイレなどどこに行くにも付いてきます。
周囲から見るとド変態で嫌気がさしそうな双熾ですが、凜々蝶は嫌がっておらず、最終的には付き合ってイチャイチャしている様子が見られるのが大好きです…尊い…
晴れて付き合うことができた2人ですが、犬神命(いぬがみ みこと)率いる百鬼夜行が始まってしまい、命との戦いにより双熾は凜々蝶をかばって死亡しました。
双熾がいなくなった凜々蝶は周囲の人たちが見ていられないほど取り乱し、百鬼夜行を追いかける日々を過ごしている最中に16歳で死亡します。
その他のキャラたちもそれぞれ百鬼夜行を追いかけたり、命との戦いで死亡したりして物語の序盤で退場となる人が多いです。
第1章で主人公と妖館に住むほとんどの住民が死亡してしまうので、この先どうなるのかとドキドキハラハラさせられました。
凜々蝶のSSである御狐神双熾についてもっと知りたい人は、以下の記事をぜひ参考にしてください。
【妖狐×僕SS】第2章
メインキャラ達が退場した世界でどんな物語が続くのかと楽しみにしていたところ、第2章では1章で死んだはずの凜々蝶が妖館に入居するシーンから再び始まります。
私はループ系の内容なのか、誰かが過去を回想しているのかなどさまざまな疑問が浮かびましたが、読み進めていくと、第1章の世界から23年後の世界だと判明します。
これには、妖狐×僕SSの世界で凜々蝶など妖館に住まう人々が、先祖返りなことが影響しており、1章で死亡したキャラは、生まれ変わっている設定なのです。
上記の先祖返りの特徴があるからこそ、1章と2章の凜々蝶は同じ見た目で、同じ妖館に入居することとなり、物語の2回目が始まったのです。
記憶を持ったまま転生したのは、雪小路野ばら(ゆきのこうじ のばら)・蜻蛉・髏々宮カルタ(ろろみや かるた)・夏目残夏(なつめ ざんげ)で、1章で生き残った反ノ塚も当然記憶があります。
このメンバーは定期的に集まり、百鬼夜行が繰り返されるかもしれないと行方を追っていました。
記憶を持っていても転生している関係で見た目やそれぞれの関係性が変わっているのが、読んでいて面白いポイントですよ!
第2章の凜々蝶は、1章で生き残った反ノ塚と再会することで、記憶が断片的に戻っていまい、1章で付き合っていた双熾と2章に登場する生まれ変わりの双熾で混乱します。
凜々蝶が混乱した様子を見た2章の双熾は、1章の双熾を演じることを凜々蝶と約束します。
2章の双熾は、1章の記憶を受け継いでいないので、複雑な感情を抱きながら凜々蝶のために頑張っていたと思うと愛情の深さに感服しますよね…
その後、袖引き狢という妖と遭遇したことで、凜々蝶は完全に記憶を取り戻し、今の双熾との歪な関係を終わりにするために、契約を解消しました。
2章の双熾は本当に可哀そうで、「どうにかして幸せになってほしい…」「凜々蝶と結ばれる未来はないのか…」と当時の私もモンモンとしていました。
一方、命もこの世界に存在していて、記憶を持たずに転生した渡狸卍里(わたぬき ばんり)と友達になり友情を深めていきましたが、ある日突然卍里の元から去ってしまいます。
命を心配した卍里が、全てを視ることができる夏目に命の居場所を聞きに行ったことで、夏目は命と卍里の繋がりを知り、命がいる悟ヶ原思紋(さとりがはら しもん)の家にほぼ全員で向かいます。
私は、命について2章で語られるまで、妖館の住民を退場させた悪だと思っていましたが、卍里と一緒に過ごしているときの命はどこにでもいるような少年で、複雑な感情になったのを今でも覚えています。
命と思紋は幼少期に出会っており、「未練のある場所へ行ける」という植物の形をした妖怪・千年桜の存在を、思紋が命に伝え、過去を一緒に見に行こうと触れさせました。
しかし、命に未練を感じるような過去はなかったため、時空の間を彷徨うだけとなり、思紋は命のために「自分が命の未練になる」と言い、歪な関係が出来上がったのです。
思紋と命の関係性が明らかになるのは物語終盤だが、この2人にも幸せになってほしいと思ったもんだ…。
そんな歪な関係の中、サトリの先祖返りで外に出ることが許されない思紋は、先祖返りの死体からその人が生きてきた間の物語を読むことを生きがいにしてしまいます。
思紋がたくさんの物語を見たいがために「もっとたくさんの命(いのち)が欲しい」と命に伝え、命は長年23年前(1章時点)に戻り、百鬼夜行を起こしていたのでした。
外に出ることができず何も楽しみがない思紋とそんな思紋を愛していた命だからこそ、長い間何度も百鬼夜行を起こすのですが、巻き込まれている凜々蝶たちはいい迷惑でしかありませんよね…
妖館の住民たちは思紋の家にいた命に会うことはできましたが、すでに命は23年前に戻り百鬼夜行を起こそうと千年桜に触れていたので、何もできず…。
23年前に戻って百鬼夜行を起こすと知った凜々蝶たちは、千年桜の力を借りてタイムカプセルを送ろうと考え、本当にタイムカプセルが送られるのか不安な中、過去自分に向けて手紙を書きました。
23年前(1章)の百鬼夜行が阻止されたとなると、百鬼夜行が起こった世界で生まれた自分達(2章の凜々蝶たち)は生まれないことになります。全員そのことを承知した上で、23年前の百鬼夜行を止めようと手紙を送ったのです。感動しますよね…
【妖狐×僕SS】第3章
妖狐×僕SSの第3章は、1章の百鬼夜行が起こる前、妖館の住民たちが未来の自分に向けてタイムカプセルを埋めようとするところから物語が始まります。
夏目の提案でタイムカプセルを埋めようと庭の木の下を掘り起こしたところ、2章の自分達から送られてきた自分宛の手紙が既に埋まっており、それぞれ自分宛の手紙を読むことにします。
もし実際にタイムカプセルを埋めるときに、未来の自分からこれから起こる悲劇について書かれた手紙が埋まっていたら恐怖でしかありません…
未来で起こる百鬼夜行の事実をそれぞれが知り、防ごうと行動しますが、百鬼夜行は始まってしまい、凜々蝶たち住民もそれぞれの家から帰るように促されます。
それぞれが1度家に帰りますが、説得したり、勝手に抜けだしたりして、結局妖館に全員が集合します。
それぞれの家の抜け出し方にも個性が出ており、シレっと抜け出す者やしっかり話し合いをして家を出る者など性格が出ていてジーンとしました。
そんな凜々蝶たちの元に蜻蛉が訃報が入りました。
蜻蛉の死を悲しみながらも、思紋が蜻蛉の物語を読み取るであろうと考え、住民たちは思紋のもとに潜入しますが、思紋の側近であるクロエと命が立ちはだかり、最後の戦いがスタートします。
蜻蛉が入っている棺桶を守ろうとしたカルタにクロエが襲い掛かりますが、亡くなったと思っていた蜻蛉が棺桶から出てきてカルタを守ったのです。
私の最推しは蜻さま一択なので、このとき私は号泣しました。登場もかっこよすぎるし、何より生きていたことが1番嬉しい…!
蜻蛉は、命が自身の死を疑って思紋のところに来るように仕向けるために、周囲を巻き込んで死を偽装していました。
最後は、2章で友人関係だった卍里の言葉に一瞬気を取られた命に対して、双熾が後ろから貫き、そのまま命は死亡します。
そして思紋は、亡くなった命から物語を読み取り、命の思いや行動の訳を全て理解して涙を流し、最終決戦は終了しました。
【妖狐×僕SS】最終決戦後
最終決戦後は、それぞれが未来を歩む様子が3章の終わりとして描かれていました。
卍里とカルタは、戦いの後寿命で亡くなった思紋のお墓の前で、命のことを想って会話する様子が描かれていました。
夏目は元々先祖返りの影響で短命という運命だったため、死が近づいていましたが、蜻蛉から運命を変えるために旅に出ようと誘われ、一緒に旅立つことを決意します。
反ノ塚は、2章で独身を貫いた自分と同じ後悔をしないために、野ばらにプロポーズをしますが、振られてしまいます。
でも男嫌いの野ばらにしては、顔を赤くしていたし、私は脈ありだと思います…!頑張れ!反ノ塚!
その後、エピローグとして夏目と蜻蛉が旅から帰ってきて、寿命を克服した夏目が凜々蝶と2人きりになったときに、2章の凜々蝶たちが笑っている姿を視ます。
私は「なぜここで2章の凜々蝶が…?」と思いましたが、読み進めるとこれは未来の凜々蝶の様子ではなく、今の凜々蝶のお腹の中にいる赤ちゃんの過去を視ていたのでした。
2章の双熾は、3章の凜々蝶宛てにタイムカプセルに手紙を残しており、そこに「あなたの一部に生まれたかった」と書いていました。
夏目が視たお腹の中の赤ちゃんの過去は、2章の双熾が見ていた凜々蝶の様子で、今凜々蝶のお腹の中にいる赤ちゃんは2章の双熾の生まれ変わりということになります。
2章の双熾も報われて感動しましたが、いざ赤ちゃんが生まれてみると変態的に凜々蝶のことを好きな2人(双熾と赤ちゃん双熾)が常に一緒にいることになるので、凜々蝶は大変そうですよね…(笑)
妖狐×僕SSの詳細情報
最後に、妖狐×僕SSの詳細情報をお伝えします。
「これから読んでみたい」「久しぶりに読んでみたくなった!」という人は、ぜひ参考にしてくださいね!
藤原ここあ先生について
藤原ここあ先生は、1998年に14歳で佳作賞を受賞し、中学3年生のときに「CALLING -コーリング-」という作品でデビューします。
その後、さまざまな作品を担当しますが、初めてアニメ化された作品が今回紹介した妖狐×僕SSで、多くの人に藤原ここあという名前を知ってもらうこととなりました。
最新漫画では「かつて魔法少女と悪は敵対していた。」という作品を連載していましたが、2015年3月31日・31歳のときに病気により他界され、上記の作品も途中で終了となりました。
ファンからすれば、まだまだ素晴らしい作品を生み出して、ワクワク・キュンキュンさせてほしかったです…。残念で仕方がありません。
妖狐×僕SSは涙あり・笑いあり・イチャイチャありの最高の作品!
私はこれまで数多くの漫画やアニメ、小説などを読んできましたが、妖狐×僕SSが1番好きな漫画だと言っても過言ではありません。
それぞれのキャラがしっかり描かれており、戦闘シーンはかっこよく、日常生活では笑いやイチャイチャがあるので、男性でも女性でも読みやすい漫画だと思います。
まだ読んだことがない人は、絵を想像しにくいでしょうが、女の子はみんな可愛いし、男の子はみんなかっこいいので、あなたの好きな推しが見つかるはずですよ!